『日本経済新聞』2006年9月5日付

北陸3県の4国立大学、05年度は3大学が黒字


 文部科学省が4日発表した2005年度の国立大学の決算によると、北陸3県の4大
学は、富山大学を除き3大学が2年連続で経常黒字となった。04年度の独立行政
法人化後に毎年1%ずつ運営交付金が削減されており、独自財源の確保が急務。
外部からの受託研究の拡大や、大学全体の収益・費用に大きな影響を与える病
院部門の収益改善に取り組む。

 金沢大学は経常収益が前の年度比2%増。最大の押し上げ要因は付属病院の5
億円の増収で、患者増や稼働率の向上が寄与した。受託研究費も約2億円増え、
運営交付金の減少分を補った。

 福井大学は運営交付金の減少などで経常収益は1%減。受託研究費など外部資
金が約8000万円増えた。北陸先端科学技術大学院大学は受託研究費は微減だっ
たが国の補助金3000万円を獲得し小幅増収となった。

 富山大は05年10月に富山医科薬科大学、高岡短期大学と統合し、新大学とし
ての半期決算だった。経常段階では赤字だが、旧大学の純利益相当額20億円を
計上する会計処理のため、当期総利益は約6億円の黒字となった。