『東奥日報』2006年9月5日付

弘大2年連続黒字 病院収益など増


 国立大学法人弘前大学は四日、二〇〇五年度財務諸表を発表した。経費節減
を進めた一方で、病院収益が約五億円増えたほか、授業料値上がりなどによる
授業料収益も約一億五千万円増加。収入から支出を引いた総利益は約十一億円
で、前年度(約十五億円)に続き利益を計上した。

 弘大経理課によると、大学の収入に当たる経常収益は約三百一億円(前年度
比0.68%増)。国の運営交付金収益は毎年1%ずつ削減されるが〇五年度は約百
十一億円と約二億六千万円減った。授業料収益は年間一万五千円の値上げと学
生の増加もあり、昨年比一億五千万円増の約三十五億円。病院収益は付属病院
の集中治療室(ICU)増床などで約五億三百万円増の約百三十億円となった。

 一方、支出となる経常費用は約二百九十億円(前年度比1.98%増)。人件費
が約百六十億円を占め、付属病院の診療経費は手術件数や入院患者の増加など
で、前年度に比べてほぼ一億円増の約八十七億円となった。

 民間などからの外部資金となる「受託研究費等収益」は41.7%増の五億七千
万円。新たに八戸や札幌に試験会場を設置したことなどで教育経費は九千四百
万円増えた。

 十一億円の利益のうち、弘大は約五億円について、大学の裁量で教育研究費
などに使用できる目的積立金に充てることにしている。