時事通信配信記事 2006年9月4日付

「卓越した研究拠点」を重点化=文科省


 国公私立大の大学院博士課程級の研究を世界最高水準に高めるため、文部科
学省が2002年度から公募で補助金を配分してきた「21世紀COE(卓越
した研究拠点)プログラム」が、07年度から「グローバルCOEプログラム」
に改革される見通しとなった。配分先を半減する一方、補助金額を3倍に増や
す。同省は4日までに、概算要求に約230億円を盛り込んだ。

 文科省はさらに、大学、大学共同利用機関と独立行政法人のうち、特に優秀
な研究拠点について、研究環境を長期的に改善するため、07年度概算要求に
76億円を盛り込んだ。外国人研究者や英語を話せる研究支援職員を採用する
ための給与、最先端の実験装置の整備費などを、公募で10−15年間支援す
る。

 21世紀COEはこれまで、生命科学や社会科学、学際領域など10分野で
計274拠点が選ばれ、1拠点当たり年間平均約1億3000万円の補助金が
交付された。

 グローバルCOEでは、政府の第3期科学技術基本計画(今年度から5カ年)
が人材育成を目標に掲げたことを受け、研究実績や将来性のほかに優秀な若手
研究者の支援体制を審査。計約150拠点に対し、1件当たり年間3億900
0万円程度を5年間補助する方針。(了)