『日本経済新聞』2006年8月30日付

大学の国際協力促進へ競争的資金創設を・文科省懇談会


 文部科学省の国際教育協力懇談会は30日、国際開発協力への大学の参加を促
すため、新たな競争的資金の創設などを求める報告書をまとめた。大学と非政
府組織(NGO)などが連携し、開発途上国のニーズに応えていくことも提言
した。

 同省は来年度予算の概算要求に関連経費を盛り込む。

 報告書は日本の大学が持つ研究成果、人材育成機能などの「援助資源」を、
途上国の課題解決や教育の向上に一層活用すべきだと強調。各大学の資源を一
覧にした「知の見本市」の創設や、大学内で国際協力を企画・担当する「プロ
ジェクト・コーディネーター」の育成などを求めた。

 大学の国際協力を進めるため政策研究大学院大学(東京・港)内に設置され
たサポートセンターの機能拡充も要望。援助機関や大学OBなどの人材を国際
協力に取り組む大学への助言業務に起用し、大学間の協力体制構築の調整機能
も担うべきだとした。