『西日本新聞』2006年8月29日付 大九州大で知の結集 御手洗氏、あらためて持論 日本経団連の御手洗冨士夫会長(キヤノン会長)は28日、都内の日本記者ク ラブで「『希望の国』を目指して」と題して講演した。御手洗氏は「日本は少 子高齢化が進んでいるが、効率的社会を求めて変革をしていけば、経済成長を 維持できる」との認識を示した。その具体策として、大分県佐伯市蒲江出身の 御手洗氏は、九州各県の国立大学法人を統合する「大九州大学」構想をあらた めて提唱した。 御手洗氏は、政府の経済成長戦略大綱が今後10年間、年率2.2%以上の 実質経済成長を掲げていることに触れ、「妥当な予測。税制、財政、教育など すべての政策を投入し、効率的に新しい成長のエンジンになる産業を整備しな ければならない」と述べた。 その上で九州を例に挙げながら、九州各県の国立大学法人は大九州大学とし て統合すべきだ、とする持論を披露。「それぞれ主要学部ごとに特化し、九州 域内の優秀な人材を集める。重複する投資を減らせ、効率が上がり、洗練され た知の集約ができる」と指摘。 「大九州大学で生まれた新技術を九州域内で事業化すれば、九州に本拠を構 える企業がでてくる。地方に雇用が生まれ、東京との格差も是正される」と強 調した。 |