『高知新聞』2006年8月26日付

高知女子大 現段階では共学化せず 駅前移転も反対


 高知女子大(高知市永国寺町)の最高意思決定機関である評議会(議長=青
山英康学長)は、将来の教育運営面の指標とする大学独自の中長期計画をこの
ほど承認した。従来の主張通り薬学系学科の設置を明記。県が計画している男
女共学化や社会科学系学部の設置については、現段階での受け入れを否定した。

 中長期計画は、昨夏に同大が出した基本方針をたたき台に細部を検討。24
日に開かれた同大評議会で承認された。

 内容は「学部学科再編」「管理運営体制の再編成」「キャンパス整備」など
13項目。

 学部再編では薬学系学科設置を盛り込み、既存学部との連携により教育、研
究面の充実を図るとしている。

 県が計画している男女共学化や社会科学系学部の設置については、「大学の
経営上重要な問題で、(将来の)法人化の際に検討する」と現段階での受け入
れを否定。高知駅前への一部学部の移転問題も「学生にも疑念や不安があり、
その声を重視する立場からも移転反対」と結論づけた。大学としての態度を決
定したのはいずれも初めて。

 同学長は「時代の変化に応じて学内改革を進めていくのは当然」とした上で、
「県立大の立場の説明責任を果たすために(計画案を)文書化した。大学の考
えを近く知事や県議会に直接訴えたい」と話している。