『日本経済新聞』2006年8月17日付

安倍氏の政権構想、憲法を全面改正・成長と歳出削減優先


 ポスト小泉の有力候補である安倍晋三官房長官が9月1日に公表する政権構想
の骨格が16日、明らかになった。現行憲法の全面的な改正を打ち出し、集団的
自衛権の行使を容認する。経済政策では成長戦略と歳出削減を優先し、消費税
率引き上げの時期や幅には触れない。アジアや資源国との自由貿易協定(FT
A)締結の促進も盛り込む。

 政権構想では小泉政権の構造改革路線を大筋で継承する。一方で、倒産や失
業などからの再起を政府が後押しする「再チャレンジ支援」を明記するなど小
泉路線を部分的に修正する姿勢も示す。家庭、地域、国への思いを尊重する教
育改革を掲げ、教育基本法の改正も盛り込むなど、小泉政権と比べて保守色を
鮮明にするのも特徴だ。