『朝日新聞』2006年8月14日付

経団連会長が「大九州大学」を提唱


 日本経団連の御手洗冨士夫会長が、全国の国立大学法人をブロック単位に統
合・再編する私案を提唱している。大分県出身の御手洗氏は特に、九州各県の
国立大学法人を統合する「大九州大学」構想を主張する。

 御手洗氏は13日、大分市で開かれた会長就任祝賀会での講演でこの構想を
披露。月刊誌「文芸春秋」8月号への寄稿で触れた際に、法学部、経済学部を
九州大、理工学部を熊本大、医学部を長崎大に集める案を示した。

 13日の講演で御手洗氏は「九州各県の国立大学法人をそれぞれの主要学部
に特化し、世界に冠たる研究機関として大九州大学に発展させれば、世界中か
ら優秀な人材が集まり、新技術・新産業が育つ」と語った。

 御手洗氏は、道州制の推進論者で、道州ごとに統合・再編された国立大学法
人が、産学連携による地域発展の中核になると期待し、東京と地方の格差是正
にもつながるとみている。来年1月に発表する予定の「御手洗ビジョン」に盛
り込む可能性もある。

 御手洗氏本人は中央大法学部を卒業している。