『日本経済新聞』2006年8月13日付

経団連会長「大学統合で研究開発力強化を」


 日本経団連の御手洗冨士夫会長(キヤノン会長)は13日、大分市で行った講
演終了後の記者会見で、日本の研究・開発力強化策として「国立大学の統合に
よる資金と人材の集中が効果的」と述べた。そのうえで、「たとえば、九州7県
の国立大学を、科目ごとに統合して集中すれば充実する。少しずつ予算を分け
るより、一つに集中できれば、さらに高い次元の研究開発が可能になる」と語っ
た。

 また、自民党の後継総裁に対する希望として「改革路線を引き継いで欲しい。
欧米や近隣諸国はじめどこの国とも、スムーズな関係を築いてもらいたい」と
話した。

 御手洗会長はキヤノンのデジタル一眼レフカメラ事業にも言及。「他社に先
行しており、得意技術で、1番大事な商品」としたうえで「デジタルカメラは競
争が激しく、製品寿命が短い。競争力に富んだ製品を作るには、研究開発と、
生産技術、生産と三位一体でやっていかなければ、うまくいかない。日本で唯
一のカメラ製造拠点である大分は、その最先端拠点にしたい」。と語った。