『信濃毎日新聞』2006年8月9日付

信大自治会「学費高い」 値上げ反対 会見で訴え


 信大各学部の1年生を中心につくる「全学教育機構学生自治会」が8日、松
本市役所で記者会見し、来年度の授業料値上げ反対をアピールした。今後、大
学側に学費の据え置きを、文部科学省に大学への運営費交付金の増額を、それ
ぞれ求めるという。

 自治会のアンケート調査によると、回答した信大生約2000人のうち、学
費負担の度合いを「高い」「やや高い」としたのは86%で、昨年より6ポイ
ント増えた。アルバイトをしている学生は42%で、このうち65%が収入を
学費と生活費に充てていると答えた。

 要望や訴えなどを聞く欄では「勉強に打ち込みたい」「奨学金制度をもっと
広げてほしい」などの記述があったという。自治会は7月の学生総会で学費値
上げの反対決議を採択した。

 自治会の長井大樹執行委員長は「自分の知り合いで、モヤシばかり食べてい
るという学生もいる。学びたくても学べない学生が増えるのは国にとってもマ
イナスになる」と話した。

 信大の授業料は現在、年間53万5800円。独立行政法人化に伴い、各大
学は国が目安として示す「標準額」の110%を上限に授業料を独自に決めら
れるようになった。国の標準額が2年ぶりに昨年度、1万5000円引き上げ
られたのに合わせて、信大は同額を値上げした。小宮山淳学長は取材に「現時
点で来年度の授業料値上げの予定はない」と話している。