『日本経済新聞』2006年8月8日付

北大、女性研究者の採用拡大へ・人件費の一部負担


 北海道大学は女性研究者の採用拡大に乗り出す。各学部・研究室が負担して
いる人件費の一部を大学が負担し、女性を採用しやすくする。2020年までに研
究者全体に占める女性の比率を現在の11%(318人)から20%に高める。優秀な
女性が結婚や出産後に復職し、研究を続けられるよう支援する。

 北大では学部や研究室がそれぞれの予算で教員の人件費を負担している。女
性研究者を採用した場合、人件費の4分の1を大学が補助し、学部などの負担
を減らす。特に給与の高い教授職は人件費の軽減度合いが大きくなり、女性の
登用拡大につながる見込みだ。

 また夫の転勤などで北海道に転居し、研究を中断した女性をデータベースに
登録、研究室に紹介する仕組みを年度内に取り入れる。企業から寄付を募って
人件費を確保し、女性にポストを与える制度も年度内にスタートする方針だ。

 北大は7月に女性研究者支援室を立ち上げた。室長の有賀早苗副理事は「保
育園や育児休業制度の改善も訴え、女性が働きやすい環境をつくりたい」と話
している。