『東京新聞』栃木版 2006年8月5日付

県弁護士会 教育基本法改正に反対
『愛国心』成文化もけん制


 教育基本法の改正を目指す与野党の議論を受けて、県弁護士会(大木一俊会
長、会員数百八人)は四日、同法改正に反対する「会長声明」を発表した。
「わが国の教育が抱える課題の解決に必要なのは、教育基本法の改正ではなく、
同法の普遍的理念を具体化する施策を実施することだ」と訴えている。

 声明は、同法改正をめぐる与野党の議論を「教育の課題が同法改正によって
解決できるかどうかを十分には検討していない」「教育を国家にとって都合の
良い人材を育成するための制度に変えようとしている」などと非難している。

 また、いわゆる"愛国心"を盛り込もうとする動きを「憲法などで保障された
思想・良心の自由を侵害する事態を招く恐れがある」「内心や価値観にかかわ
ることを法律で規定すると、多様な考え方や価値観を尊重する雰囲気が学校現
場から失われる」と批判している。   (松尾博史)