『河北新報』2006年8月4日付

山形大に「山沢奨学金」 授業料免除、特例も適用


 山形大(仙道富士郎学長)は3日、地元スーパー「ヤマザワ」社長の山沢進
氏(76)から寄付を受けて「山沢進奨学金」を創設すると発表した。学生1
人当たり4年間の総額は240万円。奨学金を受ける学生に対して大学は入学
金、授業料免除の特例も適用するため、4年間の実質的な支援額は1人当たり
約480万円となる。「これほど高額な学生支援策は、国立大で初めて」と同
大はPRしている。

 2007年度入学者から適用する。学業優秀、生活態度優良で、経済的理由
で進学が困難な高校生が対象。出身地は山形県に限定しないが、卒業後の一定
期間、県内で働くことを条件とする。

 公募を行い、大学入試センター試験で志望学部の上位10%以内に入る学生
を、毎年度5人選ぶ。「地域医療と農業振興に貢献する人材を」との山沢氏の
意向を踏まえ、医学部と農学部に1人ずつの固定枠を設けた。

 奨学金は学生1人当たり月額5万円(年額60万円)で、4年間で240万
円。医学部医学科の学生は6年間で360万円となる。

 期間は20年で、奨学金を受ける学生総数は83―85人に達する見込み。
20年間の奨学金総額は2億1720万円となる。

 山沢氏は同日の記者会見で、「日本経団連の奥田碩前会長は『企業は人』と
言っている。山形は教育県。ノーベル賞を受賞するような人材を輩出してほし
い」と、奨学金の成果に期待を寄せた。