『日本経済新聞』2006年8月3日付

市場化テスト担い手に数値目標も、政府が基本方針案


 政府の官民競争入札等監理委員会は2日、公共サービスの担い手を競争入札で
決める市場化テストの実施方法を定めた基本方針案をまとめた。各省は入札に
あたり数値目標を盛り込んだ実施要項を作成、担い手にこの目標を達成するよ
う求める。仕事を失う国家公務員の雇用は配置転換で補償するとした。政府は
関係省庁などの意見を聞き、9月初旬に閣議決定する。

 同委員会がまとめたのは「公共サービス改革基本方針案」。公共サービスを
聖域なく見直し、(1)官が実施する必要のない業務は廃止(2)民間に委ねられる
ものは競争入札にかける――との方向を明記した。地方自治体にも市場化テス
トを導入するよう促す。

 各省は新たな事業者に達成を義務づける数値目標を作る。例えば施設の運営
を市場テストにかける時は、入場者数や収入などが目標になる見通し。一定期
間を経たあとで目標に達しなかった場合は一段の努力を求めるとともに、民間
が仕事をしやすくなるよう対象範囲を広げたり、目標設定を見直したりする。