『西日本新聞』2006年7月28日付

未就職の研究者支援へ ポストドクターなど800人対象 九大が学内にセン
ター新設


 九州大(福岡市)は27日、大学院博士(ドクター)課程を修了しても常勤
職に就いていない研究者「ポストドクター」(ポスドク)の進路支援をするセ
ンターを、学内に設置した。九州で初めて。ポスドクは高度な専門知識を持つ
半面、「特定の研究に没頭しすぎて応用力がない」「ビジネスマナーも足りな
い」と指摘されるなどして企業が採用を敬遠気味。社会のニーズに合った人材
への変革を後押しする。

 開設したのは「キャリア支援センター」。ポスドク約500人と、課程を修
了できずにいる研究者約300人を対象に、企業と連携して求人情報や企業研
修の場を提供するほか、就職に役立つ講義を開く。電話のかけ方なども指導す
る。梶山千里学長は「社会との接触を避けて就職活動をしないニートのような
人もおり、意識改革にもつなげたい」と話している。

 ポスドクは全国で約1万5000人(2004年度)。文部科学省は本年度
から、ポスドクの就職支援事業を立ち上げた。