『北海道新聞』2006年7月29日付 北洋銀、国立大との連携加速 4校目室工大と包括協定 研究成果の事業化支援 北洋銀行が道内国立大学との連携を加速させている。大学の研究成果を、経 営に関するノウハウや情報と融合して新たな事業の芽を生み出そうと、二十八 日には室蘭工大と包括連携協定を締結。従来の産学官に金融を加え、大学発ベ ンチャー支援や人材育成などを共同で進める考えだ。 北洋銀は昨年六月に北大と同協定を締結したのを皮切りに、今月四日には帯 畜大、二十一日には北見工大と、相次ぎ協定を締結。北大では共同セミナー開 催や大学発ベンチャーへの出資・融資を積極化するなど、着実に成果を挙げて いる。 こうした連携は、二○○四年の国立大学法人化や少子化の進展を契機に、大 学側に民間活力を取り入れる意識が高まったことが背景にある。北洋銀は同年、 道教大と相互協力に関する覚書を、樽商大とは寄付研究部門に関する協定書を 取り交わし、客員教授派遣などを行っている。今回の締結で、道内国立大のう ち旭川医大を除くすべてと協力関係を結んだ。 協定の主な内容は《1》大学の研究成果の事業化に向けたビジネスモデル提 供《2》北洋銀での学生インターンシップ受け入れ《3》各種金融サービスの 提供など。大学が持つ技術の製品化に向け、同行が産学官連携の橋渡しをする 一方、共同研究への資金提供などを手がける。 同行本店内で行われた調印式には、室工大の松岡健一学長と北洋銀の横内龍 三頭取が臨んだ。松岡学長は「今の時代は技術者にも企業経営の素養が求めら れ、人材育成の面からも意義深い」と強調。横内頭取は「大学の研究と産業界 が円滑に連携する潤滑油の役割を果たしたい」と述べた。 |