『毎日新聞』福島版 2006年7月28日付

県医大:定員自由化、国が却下 県、特区再検討を要請 /福島


 県立医大医学部の定員増を自由に行えるようにする構造改革特区の申請が国
から却下されていたことが27日分かった。県は同日、再検討を要請した。政
府の構造改革特区推進室は「過去の例では、再検討要請が通るのは極めて難し
い」と話しており、03年11月に続き、特区申請が認められない公算が大き
くなった。

 県公立大学法人グループによると、厚生労働省は「閣議決定で『医学部定員
の削減に取り組む』とされている。(県内で)医師の地域偏在の解消に努めて
もらいたい」と回答した。文部科学省の回答は「既存の入学定員の削減を行う
とともに、新たな入学定員増は行っていない。厚労省の医師需給の考え方を十
分に踏まえることが必要」だった。

 これに対し、同グループは両省に「医師の絶対数が不足している地方につい
ては、地域の実情に応じた対応策を講じてほしい」との再検討要請を行った。

 県は今回の特区申請が通った場合、県内の公的医療機関に将来勤務する県立
医大医学部生に、6年間で合計2260万円を貸与する代わりに、卒業後9年
間のへき地勤務を義務付ける奨学金制度を新設する方針だ。

 再検討申請は8月上旬に結果が分かる。却下の場合、再度検討を申請する機
会が与えられ、今秋に最終決定される。【坂本昌信】