『日刊工業新聞』2006年7月26日付

首都大、都立産技研との連携強化へ産学官交流拠点を設置


 首都大学東京は中小企業との共同研究や人材交流など産学官連携をさらに深
めていくため、東京都立産業技術研究センターとの連携強化に本腰を入れる。
09年に旧都立短期大学跡地(昭島市)に新設される予定の都立産技研の新施
設に、サテライトオフィスなど産学官連携センターのブランチ(出先機関)を
設ける。 大学教員と都立産技研の研究者、中小企業経営者らの交流拠点として
活用する考えだ。

 東京都は旧都立短大跡地に完成させる新施設を東京・多摩地域の中小企業支
援の中核拠点に位置づけている。 同地域は日本版シリコンバレーと呼ばれ、電
子・電気機器やIT関連の最先端企業が集積。 新施設に首都大学東京の産学官
連携センターが設置されることで、最先端分野の技術開発の促進が期待される。

 都立産技研の西が丘(北区)、駒沢(世田谷区)、八王子(八王子市)の3
庁舎と多摩中小企業振興センター(立川市)の計4カ所の施設を2カ所に集約。
09年には旧都立短大跡地に、2011年には臨海部(江東区)にそれぞれ新
施設が建設される。 首都大ではこうした都の産業支援機関との連携を強化し、
産学官連携を広げていく方針。

 2011年に都立産技研の西が丘本部(東京都北区)が臨海部に移転される。
移転を見据え、新本部に近接する首都大の産業技術大学院大学(品川区)は都
立産技研との連携強化に乗り出す。

 都立産技研では今後、産業技術大学院大学が始めた社会人らを対象にしたオー
プンインスティチュート(OPI)講座に実施教育の場を提供をするほか、研
究者を講師として派遣するなど、教育の内容を充実させるための提携内容を検
討している。