山形新聞     2006年7月21日 金曜日

談合関与で小谷教授を懲戒免職へ・山大医学部

 県立新庄病院の医療機器納入をめぐる談合事件で、競売入札妨害(談合)容疑で書類送
検された山形大医学部の小谷直樹教授(49)が、大学の内部調査でも事件への関与を認め
、同学部はきょう21日、懲戒免職が相当とする方針を決定する。小谷教授は、論文のねつ
造を指示したことも明らかになっており、これらを踏まえた処分として、全学の評議会で
正式に決まる見通し。

 小谷教授が談合事件に絡み、県警の事情聴取を受けたことから、同学部は先月下旬、調
査委員会を設置し、本人から聞き取りなどを行っていた。小谷教授は「業者の指定などは
していない」などと否定していたが、書類送検後の今月14日、調査委に対して関与を認め
た。また、小谷教授が、新庄病院での麻酔管理や、社員2人が同罪で略式命令を受けた業
者の依頼で講演を行い、報酬を得た際、必要な学長の許可を得ておらず、調査委は内部規
律違反に当たるとしている。

 論文ねつ造問題では、小谷教授が、筆頭筆者の女性医師に虚偽のデータ記載などを指示
したことが内部調査で既に分かっている。

 これらが、内部規則の『刑法犯罪に該当する行為』『大学の名誉を著しく傷つける行為
』などに当たり、調査委は「最も重い懲戒免職処分に相当する」との報告書を、21日の医
学部教授会に提出する。その後、仙道富士郎学長や各学部長らで構成する「教育研究評議
会」で、懲戒免職処分が決まる見込みだ。

 小谷教授は2004年12月に執行された新庄病院の麻酔機の指名競争入札に際し、元部下に
当たる同病院手術部長(52)=同罪で略式命令=らに指示し、特定の業者が落札できるよ
う談合したとして書類送検された。