『佐賀新聞』2006年7月20日付

地域振興などで連携協定 佐大と鹿島市


 佐賀大(長谷川照学長)と鹿島市(桑原允彦市長)は19日、教育や産業振
興、福祉向上など幅広い分野で連携する相互協力協定を締結した。地域振興へ
大学が持つ知的財産や人材の活用、教育、研究の場拡大などが狙い。干潟を利
用した環境教育や浜地区の伝統的建造物を生かしたまちづくりの進展などが期
待される。

 協定は、教育・文化・生涯学習・人材育成、情報化社会の構築、地域振興な
ど5項目の協力をうたっており、具体的には同大が取り組む有明海総合研究の
調査、実験の場としての活用、農漁業などをベースにしたコミュニティービジ
ネスの模索、発達障害児教育での協力などを想定している。

 干潟を利用した環境教育は、大学の講義科目としてすでに実践されており、
今回の協定を契機にガタリンピック会場の七浦海浜スポーツ公園内にサテライ
ト教室の設置を計画。体育館の一室を改装してパソコンなどを入れ、大学生や
地元の小中学生、修学旅行生らが干潟に関する学習ができるようにするほか、
研究者の調査研究の現地拠点としての活用も視野に入れる。

 長谷川学長は「地域には意外な研究材料がある。研究、教育を通して地域に
貢献していきたい」と語り、桑原市長は「大学がもたらす情報やノウハウで起
こる化学反応が、活性化につながることを期待している」と話していた。

 地域社会への貢献を掲げる同大では、昨年から自治体との協力協定締結を進
めており、今回は西松浦郡有田町、小城市に続いて3例目。