『産経新聞』2006年7月18日付

社保費2200億円圧縮 来年度予算シーリング
≪一般歳出47兆円前後に≫


 谷垣禎一財務相は18日、川崎二郎厚労相と財務省内で会談し、平成19年
度予算編成の大枠を示す概算要求基準(シーリング)について、社会保障関係
費の高齢化に伴う自然増分を2200億円圧縮することで合意した。

 シーリング段階では5年連続で2200億円の圧縮幅。雇用保険や生活保護
の制度見直しで削減を目指す。この結果、社保費の伸びは18年度当初予算比
5500億円程度に抑制されることになる。

 政府は同日、文教費や科学技術振興費など主要経費の削減幅でも合意。政策
実行の経費である一般歳出の上限を昨年のシーリングを下回る47兆円前後と
する方向で最終調整に入った。

 政府は今後5年間の歳出改革の第一歩として厳しい基準を策定し、歳出削減
路線の継続を鮮明にする。ただ社会保障費の増加や参院選経費などで、18年
度当初予算を数千億円規模で上回る見通しだ。

 谷垣財務相は18日、小坂憲次文部科学相と電話で協議し、国立大学運営費
交付金と私学助成を18年度当初予算比でマイナス1%とすることを確認。人
件費を除く文教費は3%の削減とし、このうち科学技術振興費は18年度当初
予算と同額程度に抑える。

 公共投資関係費は18年度当初予算に比べて3%削減。一方、特殊要因とし
て参院選の経費600億円、エネルギー関連特別会計の改革で1000億円以
上が上積みになる。

 政府、与党は19日に政策懇談会を開いてシーリングを固め、21日に閣議
了解する。概算要求の締め切りは例年通り8月末とする。