『富山新聞』2006年7月15日付

富大に保育所 来年4月開設 看護師ら確保へ 


 富大は来年四月、富山市の杉谷キャンパス内に保育所を新設し、病院職員の
育児を支援 する。医療現場の人材を確保するため、女性の医師や看護師らが出
産を機に離職しないよ う、子育ての負担を軽減するのが狙いで、附属病院と隣
接した利点を生かして「病児保育 」もできる態勢を整える。男性教職員や五福、
高岡キャンパスの教職員、近隣の未就学児 も受け入れる方針である。

 小林正病院長、山口千鶴子看護部長によると、県内では慢性的な医師、看護
師不足の解 消が課題となっている。富大附属病院は、副病院長会議などで女性
職員が結婚、出産して も勤務しやすい職場環境の充実を検討してきた。保育所
の開設に向け、病院管理課は昨年 秋に全職員を対象に調査を実施。保育所に対
するニーズや保育時間、料金設定などについ て要望を取りまとめ、運営方針を
固めた。

 保育所には保育士一、二人と看護師一人が常駐し、午前八時から午後十時ま
で受け入れ 可能とする。定員は約三十人で、未就学児はすべて受け入れる。保
育料は公立保育所と同 程度に設定し、赤字が出れば大学が補う。

 七月二十五日に開かれる富大の役員会で正式に決定し、杉谷キャンパスの国
際交流会館 横に保育所を建設する。杉谷キャンパス周辺の住民や入院患者など
学外者からの要望にも 耳を傾けていく。

 小林病院長は「出産後、やむを得ず家庭に入ってしまう女性が勤務できるよ
う配慮した 。新たな病院職員の募集に際しても積極的にアピールし、人材確保
に努めたい」と話した 。