時事通信配信記事 2006年7月6日付

研究費不正使用対策でガイドライン−文科省


 早大教授問題など、国の研究費の不正使用が近年多発していることを受け、
文部科学省の対策チームは6日、大学や研究機関が緊急に整備すべき経理・内
部監査体制のガイドライン骨子を8月中旬にまとめることを決めた。経理担当
者の適切な配置や抜き打ち検査の実施、内部告発窓口の整備などを盛り込む見
込み。

 ガイドライン全体は、公認会計士など約10人の委員から成る懇談会を8月
に設け、年末までにまとめる。

 対策チームが科学研究費補助金や科学技術振興調整費の過去の不正事例を調
べたところ、主な手口はアルバイト代などの水増し請求、物品納入業者と結託
しての架空請求、カラ出張。動機は私的流用ではなく、自由に使える資金の確
保である場合が多かった。

 現在、大学事務局には経理ができる職員が少なく、抜本的には職員採用の見
直しと予算手当てが必要となる。吉川晃科学技術・学術総括官は「要求水準は
高いものにならざるを得ないが、大きな大学と小さな大学とでは(事情が)違
う。資金を多く獲得している大学には、いろいろ整えてもらわないといけない」
と話している。(了)