『日本経済新聞』2006年7月6日付

首都大学東京、08年度に観光コース設置


 首都大学東京は2008年度をメドに「観光・ツーリズムコース」(仮称)を新
設する。観光学専門の課程は立教大学などが開設しているが、国公立大学では
珍しい。首都大の設立母体である東京都は国内外からの観光客誘致に力を入れ
ており、首都大も政策提言や人材育成などで寄与する。これに先駆けて06年度
は、主に社会人向けの観光学講座を実施する。

 首都大は05年4月、都立の4大学・短大を統合して発足した。文科系と理科系
の両面の基礎研究や学生教育に加えて、「東京都のシンクタンク」として都市
問題解決への貢献を重点に掲げている。

 新設する観光コースは観光に関する理論やノウハウ研究だけでなく、東京を
訪れる観光客を増やすための調査提案、自治体やホテル・旅行業界向けの人材
育成などに取り組む。大都市と奥多摩、伊豆・小笠原諸島など豊かな自然が共
存する東京の特色を集客に最大限生かす考えで、都の自然保護員(レンジャー)
の育成も手掛ける。

 コースの定員などは今後検討する。07年度に文部科学省に届け出る予定。