『中国新聞』2006年7月6日付

教員給与に評価制 県立広島大

 ▽08年度にも導入へ

 県立広島大の円滑な独立行政法人化を目指す設立準備委員会(委員長・赤岡
功学長)は五日、広島市南区の大学本部で会合を開き、教員の実績を給与など
に反映する業績評価制度を二〇〇八年度にも導入すると決めた。公立大では珍
しい基礎研究費の配分についての制度を導入済みで、給与などへの反映で研究
活動の活性化を図る。

 県は二月にまとめた法人化基本方針で「教員の業績を適正に評価し、人事、
給与、研究費などに反映させる制度の導入を検討する」と打ち出していた。具
体的な評価基準や指針は各学部の特性に応じて策定する方針で、教員らでつく
る組織を設置して検討していく。

 県立広島大は〇五年度に、論文数や外部資金の獲得額、公開講座の回数など
を数値化し、結果を基礎研究費の配分額に三段階で反映させる業績評価制度を
導入。〇六年度には、最低額を保証したうえで、残りを完全な傾斜配分とする
制度に改めた。この結果、最高額は百六十九万円、最低額は十八万円と九・四
倍の差がついたという。

 この日の会合では、早ければ〇八年度に本格実施する業績評価制度の導入ス
ケジュールなどを承認。教員に任期制や年俸制を導入し、優秀な人材確保につ
なげる方針も決めた。委員から「業績評価は力のいる作業。時間をかけて優れ
た制度にすることが重要」などの意見が出た。(村田拓也)