『読売新聞』2006年7月5日付

研究費不正に厳正対応…政府・与党が骨太方針に明記へ


 政府・与党は7日に閣議決定する「経済財政運営と構造改革に関する基本方
針(骨太の方針)」に、研究費のムダ遣いにつながる不正受給や、過度の集中
を許さない厳正な対応策を明記する。


 「研究費データベース」の構築が対策の柱。個々の研究者の獲得資金をガラ
ス張りにすることで、研究費の適正な配分・使用を図る。

 骨太の方針は、歳出削減が大きな課題だが、今回は科学技術分野について徹
底的なムダの排除に踏み込んだ。

 現在、個々の研究者が、どの名目で総額いくらの研究資金を獲得しているの
か、一覧する手段はない。研究費データベースが完成すれば、特定の研究者へ
の過剰な資金集中を排除し、不正受給などの情報を省庁の枠を超えて把握する
ことが可能となる。

 科学技術立国を目指すわが国は、歳出削減の中、科学技術予算を増額させて
きた。その上昇にチェック体制が追いつかず、東京大、慶応大などの研究費不
正受給に続き、総合科学技術会議議員だった松本和子・早稲田大教授の不祥事
も発覚。国による不正抑止の仕組み作りが求められている。