『毎日新聞』西部朝刊 2006年7月5日付

佐賀大:私費留学生を支援 教職員から寄付募る−−県の奨学金打ち切りで


 佐賀大(佐賀市、長谷川照学長)は4日、私費留学生を経済的に支援するた
め、教職員から1口1000円の寄付を募っていることを明らかにした。佐賀
県が今年度から私費留学生奨学金を打ち切ったことなどを受けた取り組みで、
年内に650万円を集め、基金を設ける。文部科学省は「全国でも余り例はな
いはず。留学生に限らず、学生を積極支援するのは望ましい」としている。

 同大の留学生は大学院を含めて331人。うち256人が私費留学。県は9
5年度から私費留学生延べ430人に月2万円の奨学金を支給。同大では05
年度だけで26人が計624万円を受給したが、県は民間支援が広がったこと
などを理由に支給を05年度いっぱいで打ち切った。

 このため、大学側は「生活費を得るためのアルバイトで、学業との両立が難
しい留学生もいる。緊急を要する課題」として独自の基金設立を検討。6月か
ら常勤教職員約1580人に寄付を呼びかけた。具体的な選考方法や支給額は
今後詰めるが「できるだけ早く支給したい」としている。

 佐賀地域留学生等交流推進協議会(事務局・佐賀大)が04年に県内の大学
や短大など6校を対象に実施した留学生生活実態調査によると、回答した約2
00人のうち、月10万円未満の平均収入で生活する留学生は6割、5万円未
満は16・5%いたという。【姜弘修】