経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006(原案) 平成18年7月3日 文教 ○ 文教予算については、子どもの数の減少及び教員の給与構造改革を反映しつ つ、以下の削減方策を実施することにより、これまで以上の削減努力を行う。 ○ これにより、今後5年間、人件費を除く国(一般会計)の予算について、名 目値で対前年度比+0.1%(年率)以下に抑制することを基本とするが、今後、 賃金・物価の上昇等によりこうした歳出抑制ペースをそのまま適用することが 困難な場合が生じた場合には、経済成長との関係を勘案したこれまでの実質的 な歳出削減のペースを維持するなかで、必要な配慮を行うこととする。 (1) 義務教育費国庫負担金について以下の見直しを行う。 ア)教職員の定数については、子どもの数に応じた削減を行うこととし、具体 的には、今後5年間で1万人程度の純減を確保する。 イ)地方公務員の給与構造改革や地方における民間給与水準への準拠を徹底さ せる。 ウ)人材確保法に基づく優遇措置を縮減するとともに、メリハリをつけた教員 給与体系を検討する。その結果を退職手当等にも反映させる。 (2) 国立大学運営費交付金について、効率化ルールを徹底し、各年度の予算額 を名目値で対前年度比▲1%(年率)とする。 (3) 私学助成予算について以下の見直しを行う。 定員割れ私学については、助成額の更なる削減など経営効率化を促す仕組み を一層強化するとともに、学生数の減少に応じた削減を行うことにより、施設 整備に対する補助を含めた各年度の予算額を名目値で対前年度比▲1%(年率) とすることを基本とする。 (4) 教科書予算について以下の見直しを行う。 教科書に係る製造・供給コストは一層縮減を図る。特に供給コストについて は供給体制の在り方を含め、一層の効率化を行う。 (5) 奨学金予算について以下の見直しを行う。 ア)回収強化につき、債務保証等債権管理の在り方を含め、抜本的な施策を講 じ、国民負担を最小化する。 イ)3%の貸付上限金利について、教育政策の観点等から、見直しを検討する。 科学技術予算 ○ 科学技術振興費については、ムダの排除やコスト縮減等に取組み、真に必要 な経費を精選するなど、第2期計画における改革姿勢を継続することを基本と するが、科学技術の振興は我が国の将来の発展の鍵を握っていることに配慮し、 第3期科学技術基本計画(平成18 年3月28 日閣議決定)の効率的な推進に努 める。 ○ その際、第3期科学技術基本計画に基づく予算の伸びは、データベースの運 用等科学技術システム改革の着実な実施を図りつつ、経済成長の範囲内とし、 更に、科学技術の振興による成長力・競争力強化に資する取組みについては、 必要に応じて、重点的な取組みを行うこととする。 ○ 具体的な取組みは以下のとおり。 ・ 厳選された「戦略重点科学技術」に資源をシフトし、優先順位の劣るプロジェ クトは廃止・抑制する。投資効果を不断に検証する。 ・ 研究費の不正使用問題への厳正な対処を徹底する。研究開発データベースを 早急に整備し、不合理な重複を排除する。 ・ 諸外国の情勢、技術革新、官民の連携強化等の視点も踏まえ、大規模事業、 新規事業、独法運営等について可能な限りコストを縮減する(宇宙ステーショ ン、スパコン等)。 |