『京都新聞』2006年7月4日付

府立医大と府立大、法人運営に移行
京都府、08年度から


 京都府は4日、府立医科大(京都市上京区)と府立大(左京区)の運営を、
2008年度から公立大学法人に移す方針を明らかにした。府の設立する1つ
の法人が2大学を運営する方式で、両大学の独自性を保ちながら教育・研究面
での自由度を高め、魅力ある大学づくりを目指す。

 この日の府議会代表質問で、山田啓二知事が質問に答えた。

 計画では、07年度末までに公立大学法人の理事長や定款などを決め、08
年度から両大学を府の直轄から切り離し、法人の運営に移行する。大学自体は
統合せず、名称もそのまま残す予定。

 府立2大学の改革については、有識者でつくる「府立の大学のあり方懇話会」
から大学統合も視野に入れた提言を受けた府が、両大学と共に具体的な改革方
策を論議。キャンパスが両大学と近い京都工芸繊維大(左京区)も交えた連携
を模索する中で、国立大学法人の工繊大と同レベルの自由度を確保する必要性
などから、法人への運営移行方針を決めた。

 法人化に合わせ、府立大の学部を08年度から再編し、文学部と、政策立案
能力を養う「公共政策学部(仮称)」、バイオテクノロジーなどを学ぶ「生命
環境学部(仮称)」の3学部にする。

 府大学改革推進室は「法人化や学部再編で、府民ニーズや時代の流れに迅速
に対応できる大学を目指したい」としている。