『毎日新聞』山形版 2006年7月2日付 荘内銀:山形大と連携、今月から人事交流 企業の相談受け付け /山形 ◇店舗に「山大カード」も 文系と理系で異色の人事交流−−。1月に連携協力協定を結んだ荘内銀行と 山形大学は、今月から2年間の期限で職員1人ずつの人事交流を実施する。技 術の目利きが出来る行員と、銀行での職場経験を積んだ大学職員を育成するこ とで、両職場に新しい風を起こす。また、6月5日からは同行の30営業店に、 同大が企業からの相談に乗る「山形大学相談カード」を置いた。【辻本貴洋】 両者は、同行の企業情報と同大工学部の研究を結び付ける目的で1月に連携 協力協定を締結。企業情報の集まる銀行と、最新研究を進める大学の特性を生 かした連携を模索している。 人事交流では、同大の地域共同研究センターに研究員として行員を派遣。大 学の講座で勉強を進めつつ、研究開発の現場を体験する。これまで銀行員は、 主に文系出身だったため、企業融資に際して担保判断が中心となっていた。企 業の技術力などを見極められる行員を育成することで、企業の将来性などにつ いても考慮することを狙う。 相談カードは、同大が手掛ける研究を企業の商品開発などに生かす目的で設 置した。企業が提出した相談カードを同行が同センターに無料で届け、センター から企業に連絡が行く。内容に合わせ、工学部関連だけでなく、特許や法律、 税などについても相談を受け付ける。6月23日までに、経営の多角化や新商 品開発について3件の相談が寄せられた。 同行の鈴木布佐人・法人営業本部副本部長は「地域の金融機関と大学は、県 内企業に元気なってほしいという意味では目的が同じ。人事交流や大学と企業 の橋渡しで、産学連携を進めたい」と話している。 |