『下野新聞』2006年6月30日付

宇大が足銀、野村証券と連携し、地域貢献ファンド設立


 宇都宮大(菅野長右エ門学長)は二十九日、地域に貢献する学生のボランティ
ア活動や起業を支援する「峰が丘地域貢献ファンド」を設立したと発表した。
同大のほか、足利銀行と野村証券が拠出した資金で国債や地方債などを購入、
その運用益(利息)を学生の活動に役立てる。人材育成を通した地域貢献活動
の一環で、国立大では初めての試みという。

 同大は二〇〇四年四月の国立大学法人移行に伴って毎年度、国からの財政支
援(運営費交付金)が減少しており、地元企業からの寄付金など外部資金の確
保にも限りがあることから、同大独自の基金の創設を模索してきた。

 ファンドは同大とメーンバンクの足銀、同大に冠講座を提供している野村証
券が各一億円を拠出した計三億円の運用元本でスタート。同大と両金融機関で
構成する「事業運営委員会」が国債や地方債など元本保証の債権を運用、本年
度の運用益は約三百万円を見込んでいる。

 運用益の活用については、外部の有識者を加えた委員会の審査で「地域貢献
の実績」や「大学での成績」などを考慮して支給対象の学生を決定。奨学金支
給のほか、緑化事業などの地域ボランティア、留学生の通訳などの観光ボラン
ティアや企画コンペによる起業なども支援していく。