『北陸中日新聞』2006年6月30日付

富山市と富山大
新産業育成支援で協定

来春 工学部に実験・研究施設


 富山市と富山大は二十九日、産学官連携で、医薬バイオやIT(情報技術)、
ナノテク、環境などの新産業を育成する支援事業を進める協定を結んだ。富山
市が富大工学部敷地内に実験・研究室を備えた施設を造り、研究開発型ベン
チャー企業の発掘や、育成を図る。 (北山真由子)

 新たな技術や商品を開発し創業しようとする、大学や企業の研究者、学生ら
を対象に支援する。拠点施設は延べ約二千平方メートルの鉄筋四階建てで、来
年三月に完成し、四月にオープンの予定。計十六室の貸し研究室(レンタルラ
ボ)のほか、富山大が貸し出す専門機器を集積した機器分析室、ナノテク企業
用のクリーンルームなどを備える。事業費は五億二千万円。

 市と大学のほか、県や県新世紀産業機構、商工会議所なども参加して、施設
運営面での基本事項を決定。施設を管理する事務局には、入居者の相談にのる
コーディネーターを配置する。入居者の研究・ビジネスプランを審査する評価
委員会には、金融機関や企業経営者なども入る予定。使用料などは、市の九月
議会で定める。

 協定書を取り交わした西頭徳三学長は「大いに県や市、地域に貢献していき
たい」、森雅志市長も「ここからいろんな新産業につながるシーズ(種)が芽
生えてくれれば」と期待を寄せていた。