時事通信配信記事 2006年6月28日付

筑波大と九大にIT専門コース=産学連携で


 複雑化するソフトウエアや情報システムの開発に従事するIT(情報技術)
関連の人材育成のため、産業界と大学が連携して教育機関の創設に動きだす。
第1号として筑波大学と九州大学の両大学院が2007年度に専門コースを開
設、産業界も教員派遣などで支援する。日本の「IT化のアキレスけん」(日
本経団連)と懸念されていた先端技術者の不足を埋めるのが狙いだ。

 両大学院とも専門コースでは、20人程度を養成する方針。数年後には新専
攻科の開設も検討する。産業界では教育機関を全国10校程度に拡大し、将来
は年間1500〜2000人の修了生を確保したい考えだ。日本経団連やNT
Tデータ、NEC、日本IBMなどは教員派遣や教材提供、インターンシップ
(就業体験)の受け入れなどで協力する。

 国内の大学・大学院では理論偏重の風潮もあり即戦力の育成が十分でなかっ
た。ITの専門教育を国家戦略として進める韓国や中国に比べ対応が遅れてい
るとの批判も強く、産業界が働き掛けて教育拠点の整備を進める。(了)