『朝日新聞』2006年6月26日付

教員免許、現職も「更新」固まる


 教員の質向上を目的とした教員免許更新制について、中央教育審議会(中教
審)の教員養成部会は26日、「現職教員も含めて導入することが必要」との
答申案をまとめた。7月中の中教審総会で了承される見通し。これにより現職
も含めた更新制の導入が固まった。文部科学省は今後、導入時期や更新講習の
内容などについて検討に入る。

 この日の部会では、導入の理由について新たに「社会構造の急激な変化や、
学校や教員に対する期待などに対応するため」と明記。不適格教員の排除が目
的ではなく、その時々で求められる教員として必要な資質や能力を「刷新(リ
ニューアル)」するため、現職へも適用すべきだとした。

 更新講習については、教職に就いているかどうかにかかわらず、教職志望者
は全員が受講・修了する必要があるとした。教職に就かずに免許が失効した人
については、回復講習を受ければ免許の再授与が可能とした。

 このほか答申案には、教育実習について大学生が自分の母校で教えることは
評価の客観性などに課題があるとして、「できるだけ避ける方向で、見直しを
行うことが適当」との提言が盛り込まれた。能力や適性、意欲などに欠ける学
生は「実習に出さないという対応も必要」として、大学側の取り組み強化も求
めている。