『朝鮮日報』2006年6月25日付

日本の国立大学法人化は今


 日本政府は2004年に東京大学を含む国立の約80大学を一斉に法人化した。国
立大学による財政上の負担を減らすと同時に、大学の自主性を高め、責任経営
制を導入するというのが趣旨だった。

 日本政府は法人化した国立大の財政を下支えするため国立大が保有している
すべての国有資産を政府が法人に出資する形で無償譲渡した。ただし保有資産
を処分する際には文部科学省の認可を得ることとし、売却額の50%だけを大学
の収入とするよう定めた。

 財政支援の面では国庫支援金が一部残された。ただし国立大学法人の財政面
での自立を促すため、国庫予算(教員数と学生定員などに基づいた基盤教育研
究経費)を毎年1%ずつ減らしていく方法を取っている。

 日本政府は浮いた予算を特別教育研究経費に転換し、成果に基づいて大学に
支援している。これには大学の競争力を高める意図がある。

 授業料は引き上げられるものの、私立大学の授業料の水準を考慮し、標準額
(私立大の65%)程度に抑えることを計画している。国立大は授業料が低廉であ
るべきという一般国民の期待を無視できなかったためだ。授業料を引き上げる
代わりに、成績が優秀で経済的に余裕のない学生の学費を減免する形で補助し
ている。

 日本政府は国立大学法人の学長に人事・予算権を付与するなどその裁量を大
幅に強化した。また外国人理事の登用や外部の専門経営者を学長に任命するこ
とも認め、制度改革を行った。一方で、学長が理事会理事長、経営協議会およ
び教育研究評議会議長といった大学の意思決定機関を独占することになり、学
長をチェックする仕組みが弱いとの指摘もある。

 また日本政府は国立大学法人を評価する機関として文部科学省に「国立大学
法人評価委員会」を新設した。同機関は毎年国立大学法人の成果を評価し、6年
ごとの中期評価で評価内容を支援予算に反映させていく計画で、これにより
2010年に大々的な大学の統廃合が予想されている。