『山梨日日新聞』2006年6月17日付

山梨大が専門教育の特別枠新設へ
クリーンエネやワイン科学、6年で研究者育成


 山梨大(貫井英明学長)は十六日、来年度からクリーンエネルギーとワイン
科学の両分野で、大学・大学院の六年間一貫で専門教育を行う特別募集枠を新
設すると発表した。国立大学法人化に伴う独自の学生募集で、大学付属の両分
野の研究センターの機能を生かし、高度な技術者や研究者の育成を目指す。

 同大によると、新設する募集枠は「特別教育プログラム」と銘打ち、工学部
の各学科生と同等の扱いで募集。定員はクリーンエネルギー、ワイン科で各五
人の計十人。学科受験者と同じ試験に、面接を加えて選考する。

 クリーンエネルギーは応用化学科、ワイン科学は生命工学科を第二志望とし
て併願できる“救済措置”を設定する。

 教育課程は一−二年次に一般教育科目に加え、ゼミや専門の基礎研究の講義
を履修。三−四年次は研究指導を受け、学部の卒業論文は科さないのが特徴。
面接試験で大学院修士課程に進むことができる。必要な単位を取得していれば、
大学のみの卒業も可能。

 従来から四年生の希望者が両研究センターで学び、卒業論文を書くなどの方
法で学部・大学院連携をしてきたが、六年一貫教育を制度化し、山梨大や地域
の特性を生かした専門的なプログラムを整備した格好だ。

 貫井学長は会見で「高校時代から将来の展望を持った志の高い学生のニーズ
に応えたい」と語り、同プログラムの学生には奨学金を支給する考えも示した。

 同大によると、学部・大学院が連携した教育課程は愛媛大や一橋大などで行
われているが、「専門性を明確に打ち出し、教育課程に設定するのは前例がな
いのではないか」(工学部)としている。