『京都新聞』2006年6月10日付

産業界と大学、行政の連携考える
左京で推進会議 日経連会長らが講演


 産業界と大学、行政の連携のあり方を考える「第5回産学官連携推進会議」
が10日、京都市左京区の国立京都国際会館で始まった。第一線の実務者や専
門家、行政関係者ら約3500人が参加、松田岩夫・科学技術政策担当相や御
手洗冨士夫・日本経団連会長らが講演し、今後の連携の進め方や課題を語った。

 内閣府と日本経団連、日本学術会議などの主催。全体会議では、松田担当相
が「共同研究や大学発ベンチャーが着実に増え科学技術投資の成果が出ている。
日本独自の技術革新を世界に示すためにも連携の加速が求められる」と述べた。

 また、御手洗会長は、産学連携の将来の人材育成の重要性について説明した。
「日本は技術革新の核となる基礎研究では米国より劣っている。優秀な人材を
育てるために企業が博士号取得者の採用を増やしたり処遇を改善することが必
要。実効ある連携には共同研究の拠点整備も欠かせない」と指摘。続いて、フ
ランスのガニュパン国立研究庁長官が自国の科学技術政策について紹介した。

 全体会議後は、「産学官連携の今後の方向性と国際的展開」「地域・中小企
業における産学官連携の新展開」など5分科会を開いた。会場では、先進的な
連携成果を紹介するブース展示も行われている。2日目の11日は、産学官連
携功労者表彰や吉川弘之・産業技術総合研究所理事長の講演を行い、閉会する。