共同通信配信記事 2006年6月10日付

大学の特許収入が初めて6億円を超える


 2005年度に国内の大学が得た特許収入の総額が初めて6億円を超え、過去最高
になる見込みであることが文部科学省の10日までの調べで分かった。

 これまでに調査した国立大の05年度の特許収入が総額約4億5000万円で、集計
途中の公立、私立大の分が約1億9000万円に達した。文科省は「知的財産の活用
が組織的、戦略的になってきた証しだ」と評価している。

 携帯電話や大型スクリーン、信号機など広く使われるようになった青色発光
ダイオード(LED)技術で03年度に4億円以上、04年度も3億円以上のずばぬ
けた収入があった名古屋大は、一部の特許権が切れたが依然1億9900万円余りを
確保した。

 さらに、岩手大が化学や情報通信関連技術で約4800万円、筑波大が発光ダイ
オードを用いた眼底検査装置の製造技術で約3600万円、北海道大が無線LAN
の通信容量を大幅に増やす技術で約2000万円など、その他の大学が大幅に伸び
た結果、04年度に2校だった1000万円以上の国立大は8校に増えた。