『大阪外大新聞』2006年6月4日付

<統合協議>具体的内容の議論へ
7つの「専門部会」で検討


 統合推進合意を交わし、具体的内容の検討段階へ移った大阪外大と阪大。07
年10月の統合へ向け大学はどう動くのか、また統合に際し、学生の意見を反映
する余地はあるのだろうか。

【6月4日 大阪外大新聞=UNN】

 これまでの動きを追うと、3月23日の統合推進合意後、統合構想の検討を行っ
ていた両大学の「連絡協議会」が解散。合意書に基づき、同月31日には「統合
推進協議会」が発足した。この統合推進協議会の下に7つの「専門部会」が設
けられ、それぞれに対応したワーキンググループを設置。「統合後」の内容を
具体的に検討する議論が行われていく。

 今後のスケジュールとしては、11月に文部科学省の大学設置審から認可が下
りるか裁定がある。07年4月には国会審議が行われ、案が通過し国立大学法人法
が改正されれば、07年10月の統合が実現する。

 「専門部会」の分野は、経営企画、教育・研究、人事労務、財務、評価、情
報基盤、国際交流の7つ。特に「教育・研究」の専門部会は、カリキュラムや共
通教育、課外活動に関する事項などを検討するところとなっており、他に先立
ち既にワーキンググループにおける議論が始まっている。また、学生から懸念
の声が上がる統合後のキャンパス間の交通など「交通対策」の事項は、経営企
画の部門で検討される。これらのワーキンググループで議論を行う頻度は各分
野ごとに異なり、特に重要なものは頻繁に議論の場がもたれるという。

 統合後の具体的な検討事項に関して、学生の意見の反映余地はあるのか。松
田武・副学長は「学生とのパイプは作る必要がある」と話す。学生がワーキン
ググループに直接参加することは「できない」としながらも、ワーキンググルー
プの代表を含む大学執行部が、学生対象の説明会や意見交換会を開くことはあ
るという。しかし一方で、学生が意見するために持っている情報が少ないとい
う現実も見出される。大学と学生、双方が情報・意見を交わす場が要される局
面となっている。
【入江敦央】