『京都新聞』2006年6月1日付

京大と住商ファーマ、知財移転で提携 医薬・医療で全学が対象に


 京都大は31日、主に医薬・医療分野で京大が所有する知的財産(知財)の
民間への技術移転に関する契約を、住友商事の子会社で医薬品研究開発関連商
社の住商ファーマインターナショナル(東京)と結んだと発表した。

 京大の研究成果による特許などを企業に橋渡しし、創薬など事業化を促す。
同社はすでに京大医学部の同窓会組織・芝蘭会と同様の契約を結んでいるが、
今回の提携で移転対象となる知財の範囲が京大全学に広がる。

 また、住商グループの総合力で海外企業への移転を進めるほか、医薬の製品
候補を評価選別するためのリサーチツール関連の発明も、積極的に技術移転を
図るという。

 国立大法人化に伴って京大は知財の管理を強化し、昨年度はライセンスなど
で過去最高となる約2200万円の収入があった。技術移転に関する業務提携
は、関西TLOなどに続いて今回で6例目。京大の松重和美副学長は「医薬分
野は大きく当たれば数10億円規模になる。今回の連携で特に海外への移転を
促進したい」と意義を話した。