『建設通信新聞』2006年6月1日付

筑波大が大学病院初のPFI検討/国立大附属で潜在案件多く追随も


 筑波大学(茨城県つくば市)が、附属病院の再開発整備事業にPFI導入を
検討していることが分かった。病床数800床の大規模病院で、日本PFI協
会によると「大学病院では初のPFI」となる。国立大附属病院は、老朽化に
伴う潜在的な事業化案件が多く、全国で追随する動きも出てきそうだ。

 これまで、病院の駐車場整備などにPFIを導入した国立大はあったが、病
院本体への導入は初めて。コア業務となる医療行為や教育・研究などを除いた
整備・運営事業となりそうだ。

 現在の筑波大学附属病院は、A−F棟のほか、2000年竣工の陽子線医学
利用研究センターなどで構成し、規模は総延べ7万0953m2。看護士宿舎な
ども含めると、総延べ8万1262m2となる。所在地は、つくば市天久保2−
1−1の敷地約7.8ha。

 国立大の附属病院は、高度先端医療や地域中核医療の拠点を担う一方、臨床
医学の教育研究の場という特殊な機能を持つ。このため一般の病院に比べ、収
支状況は悪い。平均的な医業収支が70%台という報告もある。

 国立大学法人への移行に伴い、各大学は施設整備・運営などの面で厳しいマ
ネジメントを強いられている。施設の老朽化に頭を抱える附属病院も多く、P
FIに対する潜在ニーズは高い。

 一般の公立病院では、PFIの導入例が複数ある。民間事業者は高度なマネ
ジメント能力が求められ、成功すればPFI導入の効果が大きいとされる。そ
の半面、見積もりなどが複雑なため、入札参加コストが増大するといった課題
もある。