『西日本新聞』2006年5月30日付

九州 大学発ベンチャー148社 バイオ、ITで起業活発


 経済産業省は29日、大学の技術や人材を生かす「大学発ベンチャー企業」
に関する基礎調査報告書をまとめた。全国での累計設立件数は今年3月末現在
で1503社(前年同期比10.2%増)。九州での設立件数は全国の約1割
にあたる148社(同15.6%増)で、増加率は全国を上回った。

 同省は「バイオテクノロジーや情報技術(IT)分野の起業が活発な九州大
と九州工大が増加率を押し上げた」と分析している。

 報告書は、大学発ベンチャーの増加傾向は(1)国立大の独立行政法人化以
降、各大学が研究成果の社会還元に熱心に取り組んだ(2)学内に産学連携部
門が整備され、起業環境が整った―などが主因と指摘。これらのベンチャー企
業がもたらす経済効果は、他産業への波及分まで含めると、売上高は3642
億円、雇用者数は2万5858人と推定した。

 設立企業数を大学別にみると、東京大が92社でトップ。九州大(44社)
が8位、九州工大(40社)は9位に入った。事業分野別では、九州大はバイ
オテクノロジー関連が50%、九州工大はIT関連のソフトウエア関連が60
%を占めているのが特徴。