『毎日新聞』2006年5月28日付 教育法学会:政府の改正案廃案に 国家統制の危険性訴え 教育学者らでつくる「日本教育法学会」(会長、伊藤進・駿河台大法科大学 院教授)は27日、名古屋市内で定期総会を開き、政府が今国会に提出してい る教育基本法改正案について「現行法を全く異質な新法に置き換えるものだ」 とし、廃案を求める緊急声明を出すことを決めた。 同学会が声明を出すのは1970年の発足以来、初めて。30日に東京都内 での記者会見で声明を出すほか、公開シンポジウムなどを重ねて法案の問題点 を訴えていく。 声明文は法案について、「自主的・自律的な人格形成の営みを保障している 現行法を、国家による教育の統制を正当化するものに転換させている」と指摘。 愛国心など多くの徳に関する事項を「教育目標」に掲げて道徳規範を強制し、 思想と良心の自由を保障した憲法にも明らかに反するとしている。民主党案に ついても「同様の問題を含んでいる」と反対している。【阿部浩之】 |