『毎日新聞』鳥取版 2006年5月23日付

教育基本法改正:知事、「情緒的な空中戦」と批判 /鳥取


 「愛国心」などの表記を巡って国会で審議中の教育基本法改正案について、
片山善博知事は22日の定例会見で、「情緒的な空中戦という気がしてならな
い。条文に書いたから郷土を愛する心が芽生えるかどうか確信持てない」と批
判し、「学校現場が受験モード一辺倒の中、郷土を愛する心が重要だと法律に
書いても意味はない」と切り捨てた。

 愛国心について、「国民で構成している国家だから、国民を中心にすえて共
同生活を営む国というものを皆で支えていくことは非常に重要」との認識を示
すものの、「条文に書いたからそれが透徹するかというとそんなこともない」
とした。

 改正する際には、教育現場の地方分権が必要とし、▽教師の権限▽保護者の
権利義務▽学校運営の説明責任――を明確にするよう主張した。【山下貴史】