『読売新聞』2006年5月21日付

宮崎の企業と九大が連携、延岡に商業施設開業へ


 エステティックサロンの経営などをしている「ティナプリ」(本社・宮崎市、
安部清明社長)は、宮崎県延岡市の百貨店「アヅマヤ」跡に、複合商業施設を
建設することを明らかにした。九州大学の学内研究機関「九州大学ユーザーサ
イエンス機構」と連携、市の協力も得て取り組む。来年3月に開業の予定。

 安部社長が記者会見して明らかにした。アヅマヤは2000年末に閉店。跡
地は延岡商工会館が所有、有料駐車場として利用されている。計画によると、
跡地などを借り受けて確保する約2240平方メートルの敷地に鉄筋3階建て
(延べ約3900平方メートル)の商業施設を建設。

 13のテナントにレストラン、カフェ、ブティック、エステティックサロン
などが入居する予定で「女性のための商業、情報、交流拠点にしたい」として
いる。主要な対象は40歳〜60歳の女性。

 また、公共スペースとして1階に子育て関連施設(約100平方メートル)、
2階に会議室や和室、ギャラリーを備える「岡富地区コミュニティーセンター」
(仮称)(約390平方メートル)を設ける。

 駐車場は約20台。「商圏は約25万人が住んでいる県北地域」と言い、初
年度は15万人の来場と10億円の売り上げを見込んでいる。

 九州大学ユーザーサイエンス機構は、消費者の視点での商品やサービスの提
供の方法を研究している。昨年7月にティナプリから協力の依頼を受けていた。

 延岡市の複合商業施設については「女性の視点に立って空間デザインや運営
の基本計画策定について監修した」といい、産学官協働の先進事例としても期
待されている。

 坂口敬司特任助教授は「大学の研究機関が入ることでデザイン的にも卓越し
たものができ、ニーズもしっかり把握できる。女性ユーザーの思いをつかみ、
多くのお客さんが来るよう努めたい」と話した。