『中国新聞』2006年5月18日付

県立岡山病院を独法化へ


 岡山県は十七日、県立岡山病院(岡山市)を来年四月から地方独立行政法人
に移行する方針を明らかにした。行政組織のスリム化と病院運営の弾力化を図
るのが狙い。中国五県で県立病院の独法化を決めたのは初めてで、全国では大
阪府と宮城県で今年四月から移行している。

 地方独立行政法人は、知事が定める中期目標に沿い、運営の高度化や効率化
などの中期事業計画(三―五年)を策定する。自治体が事務や事業を直接行う
のに比べ、目標設定や人事面で自由度が高まるメリットがある。評価委員会が
業務内容を評価し、知事に通知する。

 県の計画では法人の定款や評価委員会の設置条例案などを九月の県議会定例
会に提案。議決を得た上で国に設立認可を申請する。県立岡山病院は一九五七
年の開設。精神科と神経科があり、病床数は百二十六。年間運営費は本年度当
初予算ベースで二十二億三千万円、職員数は約百四十人となっている。県健康
対策課は「行政組織のスリム化という側面だけでなく、より県民のニーズに応
える病院にしていきたい」としている。(加納優)

クリック

 地方独立行政法人 2004年4月施行の地方独立行政法人法に基づき自治
体が設立する。民間主体では難しい面もある公立大学や病院、試験研究場の運
営などの事務・事業が対象。企業会計の導入を原則とする。職員は一律非公務
員とせず、ストライキなどで地域に与える影響が大きい法人などは、自治体が
地方公務員とすることができる。