『デイリー東北新聞』2006年5月14日付

測候所5年で廃止 公務員削減で八戸も対象


 気象庁は十三日までに全国四十六カ所にある測候所を今後五年間で原則廃止
する方針を決めた。青森県内では八戸測候所が対象。政府の「行政減量・効率
化有識者会議」に提出した公務員削減案に明記した。廃止に向けて住民からの
問い合わせに対応する業務の遠隔化、自動観測システムの導入などを促進する
考えだ。

 測候所は気象や地震、火山、海洋などの観測・通報のほか、桜の開花宣言な
ども実施している。気象庁はこれまでも合理化を理由に各測候所の無人化・廃
止を進めてきたが、地域の防災活動にも役割を果たしてきた測候所の全廃には、
反対も出そうだ。

 気象庁の削減案によると、四十六の測候所に関係する要員は現在計四百五十
四人で、自動観測システムの導入による無人化などで計三百三十八人を削減。
測候所は廃止するが、無人化が困難な火山監視や高層気象の観測などの業務は
近隣の気象台などに要員を集約して継続する。

 八戸測候所は現在、七人体制で地上気象観測や気象情報の解説業務などを行っ
ている。同測候所の廃止により、桜の開花宣言など職員の目視による観測に影
響が出る恐れもある。

 同測候所のある職員は「(測候所の廃止は)インターネットを見て初めて知っ
た。正式な話は何も聞いていない」と戸惑いがちに話していた。

 県内では一九九九年にむつ、二〇〇四年に深浦の測候所が廃止、無人化され、
現在は「特別地域気象観測所」として自動観測システムによる観測業務が行わ
れている。