『日本経済新聞』中部版 2006年5月11日付

静岡大、社会・人文系学部でも産学官連携を拡大


 静岡大学イノベーション共同研究センター(静岡県浜松市、中村保センター
長)は、2006年度から人文・社会系学部での産学官連携を拡大する。異文化交
流や地域活性化などの研究成果を、中心市街地の空洞化や外国人との共生といっ
た分野での活用をめざす。工学分野以外でも連携を広めて、地域に根ざした学
術機関としての地位向上につなげたい考え。

 共同研究センターでは人文学部や教育学部などがある静岡キャンパス(静岡
市)に、企業や自治体との調整を担当するコーディネーターを常駐させる方針。

 外国人居住者との共生や松菱跡地の再開発問題などを抱える浜松市のような
自治体や、経営に関する助言を求める中小企業も多く、共同研究の需要はある
とみている。

 人文学部に在籍する教員が4月20日、企業や自治体に共同研究を希望するテー
マの説明会を初めて開催した。約100人が参加。同大学が開発した語学学習法の
企業研修への応用、観光産業のヒアリング調査をもとに新たな観光業のモデル
開発、ボランティア団体を活用した地域振興などを提案した。