『日本経済新聞』2006年5月11日付

文科省所管法人の工事、天下り先が8割受注・共産議員指摘


 文部科学省が所管する全国の国立大学や独立行政法人が2005年度までの4年間
に発注した空調、給排水など1億円以上の設備配置工事の80%以上を、同省OB
の天下りを受け入れている企業が受注していることが11日、分かった。同日の
参院行政改革特別委員会で共産党の井上哲士議員が質問した。

 井上議員によると、02―05年度に国立大学や独立行政法人が発注した工事
425件のうち、OBの天下りを受け入れた企業が受注したのは290件。契約金額
は約1213億円で、契約金額総額の81.9%に達した。

 井上議員は、同省OBの天下りを受け入れている設備メーカー各社は「櫟
(くぬぎ)の会」という組織を構成しているとして、「工事を発注する現役職
員とOBの関係が不透明」と指摘した。