『読売新聞』2006年5月11日付

文科省発注工事、7割をOB受け入れ企業が受注


 国立大学などが2002〜05年度に発注した大学施設設備などの1億円以
上の工事425件(契約金額約1481億円)のうち、約7割の290件(同
1213億円)を、文部科学省OBの受け入れ企業が受注していたことが11
日、分かった。


 契約金額の8割以上を占めるなど、天下り先企業が“独占的”に受注してい
る実態が浮き彫りになった。

 共産党の井上哲士参院議員が、管工事関係企業に天下りした同省のOBグルー
プ「櫟の会」の名簿などを元に調査し、この日の参院行政改革特別委員会で公
表した。

 それによると、天下り先企業の受注割合は、競争入札(179件)で64%、
随意契約(51件)で92%。契約金額をみると、競争入札(同580億円)
の76%、随意契約(同274億円)の96%に達していた。

 過去3年間は受注実績のなかった企業が、大学幹部OBを05年度に受け入
れた直後、OBが在籍した大学の工事を落札したケースもあったという。